【HAKOアクション】金時山登山で私たちが意識していること|自然への配慮と安全・マナーの心得

箱根の豊かな自然や環境を次代へとつなぐため、私たちにできる小さな実践や、現場での取り組みをお伝えする“HAKOアクション”。
自然の営みに少しだけ寄り添いながら、日々のフィールドで私たちがどのように手を動かし、向き合っているのかその一端をご紹介します。

富士山の雄大な景色が楽しめる箱根の人気銘峰・金時山(きんときやま)。初心者からベテランまで多くの登山者に愛される山ですが、だからこそ一人ひとりの「登るマナー」や「自然への思いやり」が大切になります。

今回は、私たちが金時山のガイドツアーや日々のフィールドで大切にしている考え方や、安全・快適に登るためのポイントをご紹介します。

目次

1. 自然の中に「お邪魔する」という気持ちを大切に

金時山周辺は、富士箱根伊豆国立公園の中でも特に自然保護の規制が厳しい地域(特別保護地区や特別地域など)に指定されています。

  • 動植物の採取は厳禁:美しい植物や昆虫が見られますが、枝を折る、花を摘む、動植物を持ち帰る行為は禁止されているエリアもあります。他の登山者の方々も楽しみにしている自然を独占しない、「自然にお邪魔する」という気持ちを大切にしましょう。
  • 植物や生態系を守る:登山道を外れて歩くと、足元の希少な植物や土壌を傷つけてしまいます。自然の美しさをそのまま未来へ引き継げるよう、感謝と敬意を持って歩くことが大切です。

環境省や地域のガイドラインに基づいた歩き方については、富士箱根伊豆国立公園 箱根地域内における歩道利用ガイドライン(PDF)にも詳しく記されています。

多様な形、色とりどりの植物が登山を楽しませてくれます。
時には盗掘されてしまい見れなくなってしまう悲しいトラブルも起きています。

2. 金時山登山のトイレ事情と準備(箱根町側ルート)

登山前に必ず確認しておきたいのがトイレ事情です。箱根町側から登る場合、トイレは基本的に金時登山口と金時山頂の2箇所のみとなります。

  • 事前に済ませる:登山口を出発する前に必ずトイレを済ませておきましょう。
  • 携帯トイレを持参する:途中で体調が悪くなった時や緊急時に備え、携帯トイレを持参するのが登山の基本マナーです。
  • 山頂トイレの利用協力金(1回200円):山頂のトイレは、水のない山頂環境で清潔に維持管理するため、1回200円の利用協力金をいただいています。100円玉などの小銭をあらかじめ用意しておきましょう。

山頂トイレの維持管理や仕組みについては、環境省:金時山山頂トイレについても参考にしてください。

3. 「来た時よりも美しく」登山道を未来へつなぐ

金時山は年間を通じて非常に多くの登山者が訪れる人気の山です(環境省のデータによると、2016年には105,425人、2025年には87,825人もの方々が歩かれています)。

年間数万人から10万人規模の歩行負荷がかかるため、歩くたびに登山道は少しずつ削られ、人が増えれば汚れてしまう側面もあります。今、私達が快適に歩けるのは、金時山や箱根の山々を愛する有志の方々や関係団体が、定期的な整備やゴミ拾いを行ってくださっているおかげです。

近年の取り組みについては、箱根における新しい登山道補修の動きで紹介されているほか、箱根町でもボランティアを募ってワークショップ形式などで登山道補修に取り組む動きが広がっています(詳しくは箱根町公式:箱根町登山道補修ボランティア情報をご覧ください)。利用状況については環境省:金時山登山者数データで確認できます。

私達も「自分が来た時よりも、ほんの少し良くして帰る」という気持ちで、落ちているゴミを拾ったり、登山道を傷つけない歩き方を意識して活動しています。長年関わっていらっしゃるベテランの方々には到底及びませんが、時には登山道補修の現場に参加させていただくこともあります。

登山者が歩きやすいように整備された登山道

土砂の流出による道の削れを防ぐ並べられた岩

4. 挨拶とゆずり合いが「万が一」の安全を守る

狭い登山道ですれ違う際は、上り優先を基本としつつ、安全な場所で道を譲り合いましょう。そして、お互いに気持ちよく挨拶を交わすことも大切です。

挨拶は礼儀やマナーのためだけではありません。万が一、滑落や遭難といったトラブルが発生した際、「すれ違った時に挨拶をした」という些細な記憶が、何人かの記憶に残っていて救助の貴重な情報となることがあります。

お互いの安全を守るためにも、声のかけ合いや挨拶を意識して歩きましょう。

安心して箱根の自然を楽しんでいただくために

野生動物への配慮として、クマ(ツキノワグマ)の情報についても定期的に確認を行っています(※箱根町公式:ツキノワグマ出没情報によると、今年度の目撃情報は確認されていません)。

自然に負荷をかけず、未来へとこの美しい景観をつなぐために。現場での小さな実践を積み重ねていきます。

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